胎盤ってどんなもの?
赤ちゃんは、母親の胎内で約10ヵ月間成長して生まれてきます。
たったひとつの受精卵が、ものすごいスピードで複雑に細胞分裂し、ひとりの人間になること自体が
奇跡のように思われます。
そして赤ちゃんが生まれてくるために、重要な役割を果たしているのが胎盤です。
胎盤は英語で「プラセンタ」と言います。
最近「プラセンタ」という言葉は、医療だけでなく美容や健康食品の分野でもよく登場するようになりました。
胎盤は受精卵が分裂を繰り返す中で、赤ちゃん本体とは別に作られていきます。
胎盤は子宮の壁にしっかり根を下ろし、独自に発達していきます。
赤ちゃんとは「臍帯(さいたい)」という管でつながった状態になっています。
いわゆる「へその緒」です。
胎盤は母体としっかり密着しており、妊娠4週頃には母体で作られた栄養や酸素などを、臍帯の管を通して赤ちゃんに送るようになります。
赤ちゃんは羊水の中で栄養や酸素などをもらい、着実に成長していきます。
ここで注目したいのは、胎盤は赤ちゃんに栄養を送っているだけではない、ということです。
実は、赤ちゃんの細胞分裂が素早いスピードで正確に行われるよう、「成長因子」という成分も一緒に送り続けているのです。
「キメ細かな工程表」とでも言うべきこの「成長因子」は、細胞分裂因子やグロースファクタとも呼ばれています。
「成長因子」という情報を受け取った赤ちゃんは、指示通り細胞分裂を続け、新しい細胞を作り出します。
そして、約10ヵ月後、赤ちゃんは計画通りの姿カタチとなり、この世に誕生するのです。
最近は、胎盤から成長因子や栄養素を抽出する技術が進み、
人や動物から抽出した「プラセンタ」を病院やクリニックなどで扱うようになりました。
胎盤から取り出された「プラセンタ」のエキスは、おもに注射やサプリメントという形で体内に注入し、
体調をよくしたり免疫力をアップさせたり、様々な症状を改善する効果が期待されています。
(「プラセンタの効果とは?」にて詳細に解説しています。)
まだ研究開発の途上である「プラセンタ」だけに、医療、美容の両分野から、ますます期待が高まることでしょう。